腰痛患者に対する姿勢指導が有効とされるわけ
目次
腰痛は姿勢が原因なのか?
腰痛の方に姿勢が原因だと説明するセラピストは多くいます。
不良姿勢が腰痛に悪影響を与えているという説は、様々なボディワーカーの中でも通説になっています。
身体を屈めた姿勢や座位による職業的な姿勢は腰痛の原因になり得ると信じられています。
厄介な職業的姿勢が腰痛の単独原因になるか?という研究では、厄介な職業的姿勢が腰痛の単独原因にならないと結論づけています。
身体を捻ったり、前かがみの姿勢は腰痛の原因としては乏しいと言われています。
腰を曲げると痛む腰痛に対する適切なアプローチとは?|からだの不具合ケア報告書|サンシャイン通り接骨院 池袋駅徒歩5分 (sunshine-street.jp)
以前の記事でも前かがみの姿勢が腰痛の原因だと言い切れない理由を書きました。
また座位も独立した腰痛の原因にはならないと結論づけられています。
不良姿勢のほかにいくつかの要因が腰痛には影響しているようです。
腰痛患者の脊柱支持機能
腰痛患者は健常者よりも腰に不安定感を感じています。
また、上肢を動かす時に直前で脊柱腰部の筋の活動が増すのも腰痛患者です。
脊柱傍部の筋は腰椎を守り、支持する役割を担っており、腰部の伸展や回旋の運動よりもむしろ、脊柱の安定機能に作用します。
腰痛患者は左右多裂筋で痛みのある側に萎縮や脂肪浸潤が見られます。
このように腰部の伸筋のはたらきが低下することで、姿勢を維持しにくくし、Slump Sittingといった骨盤後傾座位になります。
呼吸筋や内腹斜筋などの活動が高まると脊柱傍部の筋活動も高まります。
体幹の支持機能の強化は脊柱の支持機能も高めることにつながるようです。
姿勢指導のポイント
腰痛の原因が姿勢にあるのではなく、脊柱傍部の筋活動や体幹支持機能を高めることは腰痛の予防や改善につながります。
そのために姿勢指導は腰痛のリハビリテーションの場でもよく見受けられます。
腰痛患者に姿勢指導を行う時、正しい姿勢を強要したり、動作の妨げになる指導は有害です。
脊柱傍部の筋肉を鍛えたり、股関節や背部の筋を運動することで姿勢が改善されるような指導が望まれます。
また、呼吸のエクササイズは腰痛予防と共に姿勢改善にも一役買ってくれるでしょう。
日常生活を変える姿勢指導ではなく、自然とラクで美しい姿勢につながるエクササイズによって訓練していくことが、腰痛の姿勢指導では気をつけていきたいところです。