腰痛と身体イメージ
目次
腰痛患者の身体イメージ
腰痛患者の心理社会的要因のひとつに、身体イメージによる影響があります。
腰痛の身体イメージは
骨盤のゆがみ、下肢長差、猫背、反り腰などがあり、痛みの回避行動、持久力などに関係があるとされています。
痛みの強い人ほど、身体イメージにも特徴的であり、それが腰痛の原因という関連付けをしています。
姿勢指導が功する理由
腰痛治療の場ではよく姿勢指導をみかけます。
姿勢指導にはメリットとデメリットがあると考えます。
姿勢指導で行いがちなのは正しい姿勢を指導する事です。
解剖学的な正しい姿勢はあまり腰痛指導には適していません。
いい姿勢の概念が腰痛回避や持久力につながるならば、ポジティブにはたらくかもしれませんが、それは可能性としては難しく思います。
腰痛患者に対する姿勢指導は
·目標となる基準を明確に
·姿勢改善のためのエクササイズを適切に
·無理や頑張りを強要しない
·心理的安全性を担保する
これらを心得て取り組むことで、脳の報酬系に作用し疼痛抑制系がはたらきやすくなります。
心地よい姿勢への導き
このようなマインドやテーマが必要です。
姿勢指導で得られること
姿勢指導を行うことで
·自己効力感
·呼吸機能の改善
·筋力、体力向上
·心理的安全性
·血流促進
などが挙げられます。
腰痛の改善と共に身体イメージは改善される事が多く、自分に対してポジティブな受容が出来るようになります。
姿勢指導は悪さを指摘しない
姿勢指導は姿勢の悪さを改善するものではありません。
今の自分をよりよくしていくために、リラックスして過ごせるために、むしろ暮らしの動作をよりスムーズにしていくためにおこないます。
整体などで身体のゆがみなどを主張するやり方は、患者に間違った術者側の主観を刷り込むことにもなります。
セラピストは患者の姿勢を治すのではなく、より心地よい姿勢に導く役割だということを忘れてはなりません。