五十肩の接骨院での対応
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五十肩が一瞬で!?
昨今、YouTubeなどで五十肩が一瞬で!のような動画が拡散されています。
もしかしたら、本当にすごい先生なのかもしれませんが、多分ほとんどは五十肩をよく知らない先生方が間違った情報を広めている印象があります。
五十肩は俗称で、本来は肩関節周囲炎といいます。
肩関節の周りの組織に炎症が起こることで強い痛みを伴います。
高齢の方になると腱板断裂が疑われたり、石灰沈着性腱板炎などとの鑑別も必要になるため、肩が上がらない、肩が痛むから五十肩じゃないか?
と短絡的に考えずに、まずは整形外科の受診が望ましいです。
急性期は介入できない
五十肩の初期
急激な強い痛みがある時期、睡眠時に目が覚めるような痛みを伴う時期は炎症期であるため、接骨院ではほぼ無力です。
炎症が治まるまでは、肩を動かすことも出来ないため、この時期はできるだけ安静が必要です。
肩関節の拘縮期
炎症が終息すると可動域に強い制限が生じます。
これが、関節の拘縮期です。
強い痛みによって、筋の過緊張や過剰収縮がおこり、筋による拘縮が起こります。
この時期は物理療法や運動療法ができるようになってくるので、痛みをコントロールしながら動かしていきます。
しかし、この時期は人によって回復までの期間がまちまちです。
患者さんは右肩上がりに良くなるものだと思ってしまいがちですが、長いと年単位かかる場合もありますし、予後が良いとも断言できないため、注意と観察が必要な時期です。
回復期
痛みが和らいでいく時期です。痛みの軽減とともに可動域も広がります。自分でできるエクササイズなどもしやすくなってきます。
痛みは必ず良くなります!
五十肩が救いなのは、痛み自体は必ず改善するということ。
拘縮の度合いによっては、なかなか可動域は元のようにはならない事もありますが、痛みに関してはかなり予後が良い症状です。
ただ、時間がかかること、痛みを抱える時期が長いことがこの症状の厄介なところです。
このように五十肩が一瞬で治ることは、余程の奇跡でも起きない限り考えられません。
当院では、症状についてしっかり説明させて頂き、納得いただいた方のみ介入いたします。
また、長期におよび改善がなされない方は、整形外科に紹介状を書かせていただきます。
腱板断裂などの場合は接骨院では対応しきれないため、可能性がある場合なども整形外科への受診をおすすめいたします。
運動療法で対応できるものは、リハサクを使って、メールで自宅でもできるエクササイズを処方いたします。
来院回数をなるべく少なくし、自宅で治療できれば、時間的なコストを下げることができます。