僧帽筋と眼精疲労の関係
目次
僧帽筋ってご存じですか?
肩こりのときについ手がいく場所にある筋肉
ここにあるのが僧帽筋です。
イラストで見るとこんな感じ。
起始:①下行部(上部線維)後頭骨(上項線および外後頭隆起)項靭帯を介するすべての頚椎棘突起
②水平部(中部線維)第1~第4胸椎の棘突起の高さの広い腱膜
③上行部(下部線維)第5~第12胸椎棘突起
停止:鎖骨外側1/3(下行部)、肩峰(水平部)、肩甲棘(上行部)
身体の中心(背部)から肩甲骨を動かしたり、支えたりする筋肉です。
もうひとつ重要なのは頭部の回旋です。
例外的な神経支配
僧帽筋は胸鎖乳突筋と共に例外的な神経支配を受けます。
このふたつだけは副神経という第XI脳神経の支配を受けます。
脳神経の支配を受けるという事は、コミュニケーションや根源的な欲求に反射的な活動に必要な筋ということだと思います。
原始的な筋でもあり、四つ足の生物では頭を持ち上げる筋であり、前脚の荷重を支えるのにも使います。
人間は直立二足歩行になったため、僧帽筋の意味合いが大きく変わり、肩甲骨を安定させたり、頭部の回旋に作用するようになったのでしょう。
また、よほど大きく肩を動かさなければ上行線維などは収縮しないので、現代人ではあまり動かさなくなっているとも言われています。
僧帽筋はもちろん肩関節の運動に作用しますが、肩をすくめたり、驚いたり、感情的に反射的な動きをします。
また、食事や異性に対してなど欲求の対象には反射的な収縮を視覚や嗅覚、聴覚と共におこします。
目の使い過ぎと僧帽筋の緊張の相関性
目の使い過ぎと肩の緊張の関係を調査するため、コンピューター作業中の毛様体筋の筋活動と僧帽筋の活動を調べました。
結果としてはコンピューター作業中の高い視覚的要求がなされ、毛様体筋の収縮が増加すると僧帽筋の活動も増加するということがわかったそうです。
肩こりの治療というと一般的には僧帽筋を揉みほぐしたり、エクササイズをしたりすることが多いかと思います。
私も血流を促進することや効果的な運動を処方しますが、それと同時にデスクワーク時の
・眼の使い方
・呼吸の整え方
・腕や姿勢の置き方
などもお伝えしていきます。
長いデスクワークはただでさえ疲労を蓄積させます。
ちょっとした身体の使い方のコツを覚えていくと普段の習慣が見直せますよ。