頭の後ろが重い時のエクササイズ
目次
頭を支える筋肉
脊柱と頭部をつなぐ筋の中で最も上部に位置する筋は左右4つずつあり、8つの筋です。
これを後頭下筋群と言います。
①大後頭直筋
起始:軸椎棘突起
停止:下項線の中間1/3
作用:両側収縮 頭を後屈させる
片側収縮 頭を同側に回旋させる
神経支配:第1頚神経後枝(後頭下神経)
②小後頭直筋
起始:環椎後結節
停止:下項線の内側1/3
作用:両側収縮 頭を後屈させる
片側収縮 頭を同側に側屈させる
神経支配:第1頚神経後枝(後頭下神経)
③上頭斜筋
起始:環椎横突起
停止:大後頭直筋の停止部上部
作用:両側収縮 頭を後屈させる
片側収縮 頭を同側に側屈させる
神経支配:第1頚神経後枝(後頭下神経)
④下頭斜筋
起始:軸椎棘突起
停止:環椎横突起
作用:両側収縮 頭を後屈させる
片側収縮 頭を同側に回旋させる
支配神経:第1頚神経後枝(後頭下神経)
頭と頚椎をつなぐこの筋は姿勢安定性に寄与します。
カイロプラクティックや整体では、しばしばこの部位のゆがみやズレを指摘する場合が少なくありません。
姿勢と上部頚椎
骨格を持つ脊椎動物は目の向きに脊柱を誘導します。
爬虫類以上になると首を単独で視線の方に動かすことが可能になります。
姿勢は視線と視野、頭の位置、足底の感覚を統合的に神経系をつかってコントロールしています。
頚部痛がある方は、眼球運動と上部頚椎と頭の位置感覚に不安定さを訴えることが多いようです。
痛みの出力が、眼球を制御したり、頚部の筋に異常な収縮を起こしたりするようです。
この時に頚椎上部の筋が過剰に収縮すると、後頭下神経を刺激したり、血流を妨げたりすることが起こります。
これが首のズレ感の正体です。
この状態は稀にめまいなどを引き起こします。
上部頚椎へのアプローチ
頚部痛だけでなく、頭痛や肩こり、睡眠不足などの場合、交感神経が優位にはたらいている場合があります。
このような場合、うつ伏せで頭を持ち上げ、目や首を左右に動かすと非常に窮屈さを感じます。
まずは眼球だけでも目を閉じて仰臥位になり、左右に動かします。
少し繰り返すとリラックスするのが分かります。
呼吸が深くなったり、あくびが出たりします。
次に背中を反らすような動作をします。
腰を反らさないように注意が必要ですが、背中を反らしながら伸ばすだけでも肩の力みが弛みます。
最後にうつ伏せになり、肘をついて頭を起こし、首を左右に目線から動かしましょう。
この動きがスムーズになると、頚部だけでなく頭もかなりクリアになります。