考えすぎて疲れた時は脳のネットワークを思い出してみましょう
目次
悩みを解決するために悩む
患者さんと接していると
色々なことを考えすぎて頭が疲れているという人が少なくありません。
そういう人の「考えている」というのは
問題を解決するために「考えている」ことが多く
その多くは考えても考えても解決しにくいことだったりします。
まさに、悩みを解決するために悩んでいます。
思考するということ
思考するというのは脳の3つのネットワークを使っています。
そのひとつはセントラル・エグゼクティブネットワーク(CE)と言います。
CEは問題解決などのために経験や知識から具体的な答えを導くためのネットワークだと言われています。
なので、ここでいう「考えている」という状態はこのCEを使って考えていることを指しています。
しかし、人間はこれだけでは自分の経験や知識からしか考えが思いつかないため
新しいことや複雑な課題だと同じことを繰り返し思考するだけになるために答えが導き出せません。
次にその対極にあるのがデフォルトモード・ネットワーク(DM)です。
DMはボーっとしている時に使う思考のシステムです。
人間はボーっとしている時に脳は思考を整理します。
今までの経験だけでなく、妄想したことや誰かの教え、学びを統合していくプロセスや記憶の定着にも働きます。
お風呂に入っている時や、瞑想しているとハッと閃くことがありますが、これはDMの作用です。
しかし、ここでこの二つのネットワークをつなぐ大切なネットワークが存在します。
モヤモヤを受け入れる
これが思考と心の状態をつなぐサリエンス・ネットワーク(SE)です。
SEはモヤモヤしている状態(葛藤)になることでCEとDMをつなぐ役割を担います。
思考は常識やルールで行動を縛ります。
しかし、心は自由なため
もっとこうしたい!、ああしたい!という欲求的な感覚がはたらきます。
そうすると思考で欲求を抑制してしまうのですが、心はそれを望んでいません。
これでいっか!
という気づきやアハ体験は葛藤を受け入れた際に起こりやすくなります。
悩みの正体
悩みの正体は自分です。
そして、いつも通りの考えはラクですから
変わらない自分を正当化しているのが一番楽です。
モヤモヤすることから逃げて自己対話を怠ると、意識は悩みにより向きやすくなります。
自分ではどうしようもない問題ばかり考えてしまう人は、他者に依存しているかもしれません。
相手の為と思っていますが、実は自分にとっては都合がいい
そういうあり方になりがちです。
考えすぎてしまうようであれば、脳の3つのネットワークを思い出してみてください。
そして、解決よりも心をワクワクさせませんか?
そうすることで沢山の経験と学びが起こり、考えを自由にしていくことができるようになりますよ。