2021.12.05

痛みに触れてきて行きついた先は

  • 痛みの科学、腰痛、接骨院、整体、池袋

からだの歪みという概念

私はセラピストとして治療の現場に立つようになり30年が経ちました。

その中で様々な治療法を取り入れ、面白いアイデアや手法にもチャレンジしてきました。

体の痛みというのは、知れば知るほど奥が深く

私にとってはとても興味深い感覚です。

今回は私が痛みに対して関わってきた中で、どのような価値観の変化があったのかを書いてみようと思います。

腰痛治療は構造的なものだと考えていた時期があります。

骨格や骨盤に異常があり、それが痛みを引き起こすものだと。

これを主軸に考えていた時期は、徒手こそすべてだと信じていました。

技術を磨き、手技で骨格や筋肉を調整すれば腰痛は良くなる。

それどころか、様々な病気を治すことも可能ではないか?

そんな風に思っていました。

私が最初に弟子入りした治療院が経絡と骨格をベースに治療していたこともあり、骨格のゆがみと生命の氣の流れが大事だと信じていました。

なので、東京に出てきたときもカイロプラクティックを中心に行っている接骨院に就職しました。

ここまでは漠然とした「ゆがみ」という概念に染まっていました。

構造的な発想の中にあった発見

からだのゆがみのメカニズムを考えていく時に、骨盤にある腸骨の変位と脊柱の側弯の関係を基礎にしました。

これは私にとっては画期的な考えでした。

ゆがみというのは基準がなく、とても術者の主観的な情報と判断に偏っていて、生命の氣の流れである経絡もあまりに曖昧で鍼灸師でもない自分が指しか使わずに、経絡の流れを改善するということの理解と証拠が全く不透明でした。

そこに解剖学的に骨盤と脊柱の生体モデルを示した当時の会社の社長の考えは、私の理解を一段上げました。

カパンディの関節の生理学という専門書は、この構造的な理解を深めるのに役に立ちました。

平面的な脊柱に動きと姿勢が加わることで、患者の骨格のイメージが描けるようになりました。

しかし、次にイメージと現実が釣り合わない出来事を目の当たりにします。

レントゲンで見えた骨格の世界

その当時の会社で整形外科を立ち上げることになり、私はそこで働く柔整師と医師の橋渡しの役割を任されました。

そこで数百人の患者のレントゲン写真を見ることができました。

レントゲン写真とカルテに映っていたのは、椎間板の変性や椎骨の変形によってゆがんだ脊柱でした。

それも、無症状の人でもこのような状態であったり、とても強い痛みを訴えている患者でもきれいな脊柱であったりと何が正しいのかわからなくなりました。

この頃くらいから、骨格のゆがみという概念に疑問を持つようになります。

頭の中でイメージしていたゆがみと痛みの関係が画像と症状を目の当たりにして崩れました。

カイロプラクティックや脊椎マニュピレーション、これらの徒手技術は骨ではなく位置情報、動きの情報の変化を神経系を介して筋が弛緩したり、学習して改善しているのではないか?と考えるようになりました。

癒されるという感覚

ある時、患者さんの悩みを聞いていると腰痛や首の痛みが自然と改善したという経験がありました。

心が痛みに関係していると頭では分かっていても、本当の意味で理解できておらず、「癒し」というチープなキーワードにも違和感がありました。

しかし、実際は癒しというのは治癒と同義ではなく、症状や痛みを和らげるという感覚の変化です。

これを肌感覚で感じていました。

今では癒しは

・触れることで分泌される脳内のホルモン(オキシトシン)

・脳の疼痛抑制系

・腹部迷走神経による副交感神経系の反射と投射

・呼吸

・思考の適正化

このようなことで起こるということが理解できるようになりました。

痛みの心理的要因は感情や思いではなく、痛いことによって起こる心理的状態と痛みを生みやすい心理的状態を把握し、フォローすることが大事だと分かってきたことで、変に感情に寄り添おうとせずに筋や関節を把握して、患者さんのマインドに否定せずも、見守ることができるようになりました。

痛みの回復に必要なこと

ここまでの探求の中で

・痛みは構造的な損傷の大きさに影響せず、主観的な構造の問題の影響も関連しない

・筋の硬結は構造上の問題ではなく、心理的な緊張、動きの不自由さ、視覚や聴覚などの反応でもある

・痛みに関する障害は徴候と症状への理解と分別ができないと介入できるかどうかの判断がつかない

・ヒーリングやリラクゼーションは脳科学と心理的安全性、そして知覚による反応

とここまでの誤解や間違いに気づきました。

過大評価されている徒手療法に対しても

・短期的な効果の期待はあるが、長期的な改善や持続的な治癒には向かない

患者の痛みの信念に対しては

・プラセボ効果を持つものとノセボになっているものを見極める必要がある

※プラセボは術者の行動や言葉によってプラスのバイアスがかかること。ノセボはその逆にマイナスのバイアスがかかること。

・痛みからの回復の信念や回復のイメージの共有が重要であるということ

・自律>共感>同調という区別をつけ、カウンセリングをおこなう事

筋骨格系の改善には運動療法が最も推奨度が高い

・筋骨格痛患者の回復は損傷の修復を待って、運動療法に取り組むこと

・運動療法には解剖学、生理学的な知識と指導スキルが必要

そして何よりも

・脳と神経系に作用

・血流など循環器系のはたらきを高める

・心理的な変容による破局的な思考の改善

といった効果が見込めます。

長期的な改善にも運動療法は推奨されています。

痛みに触れてきて行きついた先は

私がここまで歩んできた道のりは治療技術の見直し、チャレンジなどを重ね、科学的な考察を行ってきました。

多くの施術家が自分の手技を否定することなく盲信する中で、私は自分のやっていることをいつも客観視し、それに治療的な価値があるのかどうかを見直してきました。

もちろん治療は患者さんによっても効果に差があります。強いマッサージが効く人もいれば、ボキボキ整体が効く人もいるでしょう。

しかし、私が強い刺激を好まないのは患者さんを依存させ、症状を強くし、繰り返させる恐れがあるからです。

良くない結果を招く可能性のあるものを排除するのは当然のことと思いますが、そのリスクを越えるメリット(治療効果も経済的にも)を感じるからこそ、その方法は淘汰されることなく残っています。

今、痛みの科学はBPSモデルといって、生物学的、心理的、社会的モデルになっています。

姿勢や構造の問題は0ではありませんが、その主体ではありません。

痛みは複雑系であり、患者さん自身の感覚です。

ですから、手で変えることができるのは短期的であり、神経系にはたらきかけた、感覚の変化と癒しの体験です。

そしてそれを長い目で見て定着させるために運動療法があり、脳の科学を活用します。

30年前にこんな先生になりたいな。

そう思った理想にはだいぶ近づいてきました。

あとは人格ですね。職人になりすぎると人を受け入れることが難しくなりますから。

これも痛みの治療にはとても重要な要素です。

心理的安全性

ここでは守られているという実感を患者さんが得られるような人間性に成長したいですね。

 

 

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