身体の硬さという健康指標
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身体が硬いという訴え
当院に通う方は筋骨格系に痛みを抱えている方です。
その多くの方が身体の硬さを痛みの理由にしています。
腰痛において、身体の硬さが腰痛を引き起こしているかどうかということはわかっていません。
しかし、腰痛既往歴がある人の場合
腰椎の垂直方向と足首に硬さが有意に感じるという報告があります。
身体の硬さは原因というより結果なのかもしれません。
ハムストリングスの硬さと腰痛
屈曲型腰痛で問題とされるのがハムストリングスの硬さです。
しかし、これも証拠とされる情報はなく、術者側の主観的で経験則な判断であります。
ハムストリングスの柔軟性を測定するのは4つの指標があり、剛性を測定するのは5つの指標があり、いづれも腰痛の原因だという特定は出来なかったようです。
体幹の屈曲はハムストリングスの柔軟性だけではなく、脊柱の代償動作、骨盤の後方移動などいくつもの動きによって、地面への手の接地が行われます。
手が地面に接地しない人の疲労
痛みと屈曲の関係性は証拠が不十分とされていますが、屈曲の硬さは地面に接地できた人と出来なかった人でいくつかの違いがあったという報告がありました。
刺激過敏、頭痛、目が疲れている、視力がぼんやりしている、鼻が詰まっている、または鼻水が出る、月経不順または月経痛、肩こり、首のこわばり、腰痛、手が冷えている、足が腫れている、足が冷えている
これらは手が地面に着かなかった人によく見受けられた症状です。
身体の硬さが原因かどうかは分かりませんが、地面に手が接地しない人は、地面に手が接地できる人に比べると体調不良を感じる人が多いということはあるようです。
これらは全身倦怠感に伴う症状でもあるようです。
疲労の回復を優先する
疲労の蓄積は筋の伸張性を欠く理由になります。
疲労感は睡眠不足、栄養状態、運動不足、精神的ストレスなどによって引き起こされます。
デスクワークなど長時間の静的作業は筋疲労をはじめとした多くの疲労因子を抱えています。
仕事などで疲労を蓄積した場合、休んで疲労回復出来ないことも多いでしょう。
そういう場合は、仕事中にいかに疲労を溜め込まない働き方にするかというのは大きな課題です。
姿勢の変換や時間の効率化など、疲労のマネジメントを職場の課題に入れることも企業で取り組まれているところもあります。
その取り組みとして、身体の柔軟性や動きのスムーズさという指標があってもいいかもしれません。