腰痛に画像検査は重要か?
目次
腰痛と画像所見
腰痛に対する画像所見は正確にその痛みの原因を特定できるか?という疑問があります。
重篤な基礎疾患のない腰痛患者に画像所見のあるなしで、症状の改善に差があるかを比較してみたところ、特に差がないことがわかりました。
この報告は腰痛でレントゲンやMRI撮影をするのは、患者の放射線曝露と経済的負担を増加させるおそれがあると指摘しています。
腰痛患者は整形外科では、画像だけでよく判断されます。
しかし、画像のみの診断は原因の究明と治療法の確定に役に立つとは言えないようです。
神経根症状と画像所見
腰痛の原因のひとつで代表的な神経根症状は高齢者の腰痛には多い疾患です。
しかし、神経根症状は画像所見で鑑別可能でしょうか?
MRIによる画像所見では、椎間板変性に対する評価の妥当性は高く、神経根の圧迫所見は中等度でした。
神経根症状がある患者の椎間板の変性部位はMRIによる画像所見で信頼が高いが、腰痛や無症状の場合はMRIによる画像所見でも信頼性が低くなります。
画像所見は腰痛を予測できるか?
画像所見によって椎間板変性が認められても、この先の腰痛予測にはなりにくいようです。
腰痛の予測因子は
·腰痛既往歴
·活動量
·長時間同姿勢
·過重労働
などの方が画像所見だけより信頼されています。
腰痛患者に対するガイドライン実施による医師の判断は約3割くらいと言われています。
不必要な画像検査より問診や生活習慣から症状を予測し、信頼性の高い介入を選択できることが望ましいです。