肥満の人の腰痛リスクを精査する
目次
腰痛=太り過ぎ?
腰痛の原因のひとつに肥満を挙げることは少なくありません。
肥満による過体重は腰椎へ負担をかけ、椎間板変性の原因だと信じられています。
太り過ぎが腰痛に与える影響は深刻なのでしょうか?
仮にそうだとするならどのように患者指導を行う必要があるでしょうか?
椎間板変性は体重によるのか?
椎間板変性は現在は遺伝、加齢、代謝異常、栄養不良などから起こることがわかっています。
そこに反復的なメカニカルストレスがかかると、さらに変性が進行する可能性が増します。
まずは変性が起こる生理的な異常が発生し、体重や負荷はそれを悪化させる因子になるようです。
肥満は脂肪組織による炎症など、生理的な異常を引き起こすこともわかってきました。
肥満による脂肪組織からの炎症が椎間板変性を引き起こす可能性もあると言います。
肥満は体重による負荷より、生理的な異常の原因になり得ます。
肥満の指数は腰痛に影響するのか?
肥満(腹囲周囲長)が腰痛に影響するのは、女性は18歳、男性は16~18歳に腰痛との関連が見られたが、それ以前も以後も腰痛のインシデントにはなっていません。
高BMI、体脂肪率は少ない腰痛の発生リスクにはなるが、中から高レベルの腰痛因子ではないようです。
しかし、低活動と高BMIを組み合わせると腰痛の発生が高まります。
BMIが高くても活動量が高ければ腰痛リスクは高まりません。
腰痛の予防には
肥満とされても、短絡的に腰痛と結びつけてはいけません。
肥満の人は代謝異常などの生理的な異常のリスクをヘッジしなくてはなりません。
栄養状態の改善、食生活の見直しをし、炎症の鎮静化を優先したいです。
高BMIの人には活動量を確認することも忘れてはいけません。
脂肪の燃焼を目的とした有酸素運動や持続的なトレーニング、40分以上のウォーキングはダイエット効果を引き出します。
食をストレスのはけ口にしている場合、依存度が高いため、改善しにくい場合があります。
メンタルをサポートしながら、改善できるサポートが必要です。