肩関節周囲炎(五十肩)に対する運動療法との併用する治療は?
目次
肩の痛みを感じたらどの選択をすべきか?
肩が痛い患者さんの治療の選択肢として手技療法(整体やカイロプラクティックなど)を最優先に検索している場面は少なくないでしょう。
肩が挙がらないのであれば普通の肩こりではないと思えるでしょうが、肩の動きは可能でありながら強い痛みがある場合は、酷い肩こりじゃないかと思うこともあるのではないでしょうか?
接骨院でもこういった患者さんはどちらも来院されることが多く、「病院にいくべきか迷った」と仰います。
肩の痛みは
・関節内の痛み
・関節周囲の痛み
・筋肉の痛み
この3つの見極めが重要です。
痛みによる違い
◆動かしていないのに痛む
自発痛といって炎症期に起こる痛みです。
関節内の痛みの場合も動かすことが出来ません。
◆睡眠時の痛み
夜間痛は急性期によく見られる症状です。
睡眠を邪魔するため睡眠不足から抑うつ傾向に陥ることがあります。
このような時期は肩痛の初期症状です。
ここから徐々に関節の拘縮が起こることがあります。
痛みが強く、睡眠不足やQOLの低下が顕著な場合は整形外科での治療が最善の選択になります。
◆動かせるけど痛い
可動域は低下していても動かせる痛みであれば、関節周囲や筋による痛みであることが考えられます。
五十肩は肩関節周囲炎と呼ばれ、関節内ではなく関節周囲の炎症によるものです。
また、肩甲骨に付着する筋は18あります。
肩の動きだけでなく、体幹や頚部、腕の筋肉も肩甲骨に付いています。
特定の動きの制限はどの筋の作用によって制限されているのかを見極める必要があります。
動かせるので肩のコリや張りがいつもより強いくらいかな?と思っていると、炎症を伴ったり、筋拘縮に繋がることもあります。
物理療法か徒手療法か
肩峰下滑液包炎の患者さんの痛みに対しては運動療法が強く推奨されています。
追加療法として徒手療法による関節モビリゼーション、レーザー治療のような物療があります。
徒手療法は短期的な追加療法としては高く推奨されるようですが、他の物理療法に対しては懐疑的な見解があります。
しかし、質の低いエビデンスでは超音波治療は石灰沈着性腱炎ではプラセボよりも短期的な効果があります。レーザー治療では回旋腱板障害の症状がプラセボよりは短期的な効果があります。
電気療法は他の積極的な介入よりもメリットがあるかは不明だったそうです。
五十肩様の症状に対し、運動療法は徒手療法とセットにして介入することで患者の治療に対する満足度を高めることができると言えます。