就寝時の腰痛
目次
寝ていると腰が痛む
腰痛の患者さんの中には
横になると痛む、寝ていると痛む
そして起床時になると痛い
こんな症状の方が多くいます。
このような腰痛の方の多くは、起きて活動していれば痛みは感じていない。
ただ、横になることや寝ると痛くなることからよく
寝ている姿勢のせいですか?
とか
寝具が悪いのですか?
などと聞かれます。
寝ている時に起こる腰の痛みにはどんなことが影響しているのでしょうか?
仰臥位時に起こる腰痛リスク
椎間板性腰痛の患者の場合、立位と仰臥位での椎間板の厚みの変動が大きくなり、そのことが椎間板性腰痛との関連性を示唆しているようです。
また、アクティブSLR時に腰痛がある群は骨盤の回転が、健常群に比べて大きいようです。
このことから骨盤の安定性の欠如が腰痛に関連していることを示唆しているようです。
腰痛患者にとって臥位姿勢は
・椎間板の厚みの変化
・骨盤が安定しにくい
という点が腰痛と関連している可能性が高いです。
また、仰臥位による脊柱伸筋群の持続的な収縮も姿勢の変化時に影響する可能性があります。
腹斜筋、腹横筋は臥位よりも座位時に筋厚が増加することも報告されていることから、体幹の筋活動、腹腔内圧の維持なども臥位では低下しがちです。
臥位という姿勢が別の姿勢から移行する際に生物学的な変化をもたらし、適応するために筋に過緊張が起こっているような印象ですね。
寝具の重要性
腰痛患者にとって仰臥位による後前方(PA)への負荷は棘突起、仙腸関節などを過敏にさせます。
このことにより神経筋反射反応を起こし、脊柱起立筋の剛性を高めるようです。
腰痛患者にとって睡眠時の姿勢は適応変化だけでなく、棘突起や仙腸関節といった腰部または骨盤部の神経的な感受性からも反射的に筋緊張を起こしていることが分かります。
よって、寝具の状態によってこのような反応を和らげることができるかどうかは、睡眠の質に関わる問題とも言えます。
寝具選びのポイント
安価な寝具と中~高価格帯の寝具では、安価な価格帯の寝具の方が新品に入れ替えてから腰痛が発生するまでが有意であったという報告があります。
これは寝具の経年劣化と適度な交換が腰痛患者には必要だということを示唆します。
また体重の軽い女性と肥満の方で有意ではなかったことから、体重の軽さは就寝時の腰痛を起こしにくく、肥満はどの寝具でも痛みが起こる可能性があるということでした。
また、マットレスの硬さに対する効果としては、固いマットレスが腰痛の予防にいいと信じられていますが、中程度の硬さのマットレスが日中の腰痛、横臥位の痛み、起床時の痛みが少なかったと報告されています。
カスタムメイドのマットレスは脊柱アライメントに対する形状をサポートします。特に体重の重い男性、肥満の方にカスタムメイドのマットレスは推奨されます。
腰痛の対策に寝具は効果的と言えるようです。