健康活動をする上で知っておきたいこと
目次
健康意識に高い、低いってあるの?
インターネットの発達によって、情報が気軽に入手できるようになり、様々な医療や健康の情報が手に入るようになりました。
その中で、情報を多く持っている人が「意識が高い」とされて持て囃されたり、逆に一緒にいて疲れてしまったりしている人もいます。
高い、低いと比較している段階で何かを基準にしているような気がします。
実際に健康活動をどのくらいの人が行っているのでしょうか?
高齢者が40代以前から健康に心掛けた行動を取っていたか?という調査では、90%の人が健康行動を取っていました。
もっとも多かったのは栄養のある食事でした。
どのくらい確実なものかはさておき、多くの人が栄養のある食事を心がけていたことは事実です。
また、健康診断や散歩やスポーツなどの運動も意識的に行っている人が半数くらいいます。
そういった中でも健康情報の取得は30%台でした。
情報弱者が何かというと責められる世の中ですが、そもそも健康情報を積極的に取りに行く層は3割ほどしかいません。
では、その3割の意識高い系の人は本当に健康的なのでしょうか?
健康活動で真に健康に影響するものは?
この調査で真に健康に影響するという結果になったものは
栄養のある食事と歩行やスポーツなどの運動、そして社会活動を通じたコミュニケーションでした。
健康診断、健康情報の取得は逆にほとんど健康には関係なく、むしろ健康でない人が多かったようです。
そもそも健康じゃない人がこのような行動を取りやすいというのもありますが、意外ですね。
しかし、健康情報を積極的に取得している人とそうでない人を比較すると、健康情報を積極的に取得する人の方が健康行動も能動的であるというデータがあります。
健康情報を持っているから意識が高いというよりは、健康情報を持つ人はその情報を実践または活用して行動するために取得しているということも想像できます。
健康情報を積極的に取得しない人々は、自己流であったり、自分にできそうなことをなんとなく行っていると言えます。
こうなると情報のリソースや正確さということが大事になると思います。
科学的根拠vs自分の経験
では、正しい情報が広まっていることが重要ですが、実際はそうではないようです。
科学的根拠のある情報と自分の経験や成功体験に近い情報があると人間は自分の経験や成功体験に近い情報を正しくなくても信じているようです。
例えば、科学的根拠のある薬があるとします。
しかし、以前薬(別のもの)を飲んで副作用などに苦しむ経験をしてしまった場合、科学的根拠の乏しいサプリメントを飲んだことでたまたま改善するとサプリメントの有効性を信じてしまいます。
人間は自分の経験に抗えないようです。
また、科学的根拠のある情報に対しても自分の経験に沿って理解するため、解釈が間違っている場合も少なくありません。
地域の課題の落とし穴
地域活動をしている人に課題を聞くと必ず意識の低い人、参加率の低い人に対しての関わり方が問題にあがります。
では健康活動として地域活動に参加する人の割合はどのくらいかというと19%程だそうです。
地域活動に参加するというのはハードルが高いということです。
なので地域活動に参加しない=健康意識が低いということにはなりません。
しかし、地域活動に参加している人は健康な人が多いというのも事実です。
主催者はこのことが見えていないと、参加しない人と参加して健康な人を比較しやすい傾向にあるようです。
もし仮に参加率が20%を超えるような活動であればそれは大成功なのかもしれません。
健康意識をどう活用するか?
健康意識は
・自己流になりやすい
・自分の経験と似た情報を信じやすい
・食事と運動は効果がある
・人との交流が必要
・情報を積極的に取得すると行動に移しやすい
・地域活動への参加はハードルが高い
このようなところに気をつける必要があります。迂闊に人にアドバイスしない方がいいということですね。
最後に経済格差と健康という調査があります。
経済格差は情報格差とも言われています。
では、経済的に豊かな人は貧困層の人よりも健康であるか?という調査をしたところ、経済的に豊かな人も貧しい人も等しく病気になり、ケガをするという結果でした。
しかし、病やケガを負うことで生活を逼迫するのは貧困層ですが、勤労所得は豊かな層ほど高くなっているため貧困層は定職についていない人もおり、社会保険などのサポートも受けられていない可能性もあります。
人は情報だけでは健康にはならないということですね。
大切なのは自分の心身を健全な状態にしておくことではないでしょうか?
不安や不満が多くなれば、公平な情報選択がしにくくなるでしょうし、余裕がなければしない選択もしにくいでしょう。