腰痛を和らげるために自分で出来るセルフマッサージ
目次
しつこい腰痛を自分で治したい
腰痛を和らげるために自分でできるマッサージはありませんか?とよく聞かれます。
マッサージは一時的に痛みを和らげるには効果的な方法です。
凝って硬くなった筋肉をほぐすと痛気持ちい感覚があり、効いてる!って思うのではないでしょうか?
強く揉むほど硬くなる!?
マッサージというと硬くなった筋肉のゴリゴリした部分を強く揉んだ方が気持ちいいし、楽になる印象があると思います。
でも、実はこれだとその場はラクになったとしても、その部分はどんどん硬くなります。
コリの部分は筋硬結といって、過剰な収縮を繰り返す事で筋の伸張性を欠いた状態です。
押す、ほぐすことで一時的には血流を促進するため、柔らかくなった感じにはなりますが、また過収縮を起こします。
また、痛いくらいほぐすと体が緊張します。
この緊張により指の圧に抵抗が起こるため、また硬くなります。
ではなぜ痛いくらい強いマッサージは喜ばれるのか?と言いますと
人間の体は痛みで痛みを消す機能が備わっているのです。
NDICという神経メカニズムなのですが、人間は一番痛い場所を優先します。
このメカニズムでいうと、痛いマッサージをしている場所が本来痛い場所より優先されるため、腰痛や肩こりによる痛みが一時的に消えるのです。
このメカニズムは脳内で働き、麻薬物質のようなものが脳のホルモン分泌によって発生します。
そのため、癖になるのです。
セルフマッサージのコツ
セルフマッサージを行う上でのコツは
①ゆらす
②擦る
③摘まむ
この3つです。
ゆらすというのは脱力してほぐしたい場所をゆらゆらと揺らします。
リラックスさせること、脱力することがポイントです。
擦るというのは揉んだり、捏ねたりするのではなく撫でるような感じです。
人間の体には固有感覚受容器というものが備わっており、刺激の感覚を快・不快で感じ取ります。
秒速5cmの速さで擦る感覚は労りの愛情を伝えるようなリズムに近いため安心感と愛情を感じます。
脳内のホルモンである、セロトニンやオキシトシンが分泌されることで痛みが和らぐ効果も得られます。
最後に摘まむです。
揉むより摘まむがいいのはマッサージというのは肌への刺激だということが前提だからです。
硬い筋肉をほぐす前に肌に触れているということを考えれば、皮下血流を高めることがマッサージの効果でもあります。
そのため軽く皮膚を摘まむことで皮下血流を高めることができます。
ゆらす、擦る、摘まむの3つができると
・痛めることがない
・リラクゼーション効果が高い
・力が要らない
などのメリットもあります。
セルフマッサージは体だけではなく脳や自律神経、血流にも働きかけることができます。
腰痛の人はココがポイント
腰痛の人は腰をどうしてもほぐしたくなりますね。
硬くなった腰の筋肉やお尻をほぐしたい。
でも実は背中や脚が結構大事だったりします。
おススメなのは
脇の下とふくらはぎ
もうすでに酷い腰痛の方というよりは
腰が疲れたなぁ
今日は一日座りっぱなしだったなぁ
そんな時におススメ。
脇の下をほぐすと胸腰筋膜という背中から腰までの広くて大きな筋膜を緩められます。
ふくらはぎは第二の心臓と言われるくらい血流に関わる場所。
また、この筋肉を使わない生活をしていると背骨を立たせる脊柱起立筋が硬くなります。
腰痛予防、足腰のメンテナンスではこの2つができるといいですね。
マッサージはほぐす意味より自分に向き合う時間として
セルフマッサージを行う時は硬い部分をほぐすというような物理的側面よりも、自分と向き合う時間として、マインドフルネス的な要素を大切にすると効果が高まります。
他人に任せる施術を受ける場合もそうですが、「痛みを消す」というのは実は色々な生理的作用、心理的、情緒的な影響もとても大きいのです。
身体にかかる刺激の満足というのもその前提にコミュニケーションという術者と受け手の間にあるものが深く関与しています。
当院ではこのような部分も含めて施術だと考えており、身体は生きているし、感覚も感情もあるものだと捉えております。
患者さんが感じておられることを意識、無意識に捉われず、私達術者もそこに寄せていけるように努めております。