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2024.06.12

姿勢のコツ 座り方を正すと姿勢は整うの?

  • #姿勢 #猫背 #腰痛 #池袋 #接骨院

正しい座り方ってあるのだろうか?

長時間のデスクワークで不良姿勢が続くことが肩こりや腰痛の原因と取り沙汰されています。

正しい座り方というのはどうすればいいのか?

そんな質問を受けることもありますが、座るというのは目的によっても違うし、文化や民族によっても様々です。

日本人になじみのある正座は西洋人には難しい座り方とも言われていますし、

椅子に座って作業するようになったのは明治以降ですから、それまで私たちは床に座って生活していたわけで、今の座り方とは違うわけです。

そのようなことからも日本人は骨盤が後傾気味で重心が後寄りだなんて言われたりもします。

また、ヨガやピラティスなどでは「坐骨で座る」なんて言い方で指導されます。

骨盤の下部の部分でもある坐骨ですが座る骨って書くくらいですから座る時に必要な目印として古来から意識されてきたと思います。

何が正しく、何が良くないのか?そういう基準が曖昧な中で姿勢というのはいつも漠然とした伝えられ方をしてきました。

一日の座っている時間が世界一長い日本人にとって、どんな座り方が正解なのでしょうか?

少し考えてみたいと思います。

不良姿勢と呼ばれる座り方

一言で不良姿勢と言いますが、座位における良い姿勢の定義というのは特にないようです。

しかし、一般的に座位姿勢は

・重力が頭頂から骨盤にかけて垂直方向にかかる

・足は支持基底面の一部をなす

・脊柱の適度な生理的弯曲が保てる

・筋の適度な緊張によってリラックスしても重心が崩れない

という条件はどの座位にも当てはまります。

これは544人のギリシャの理学療法士に「正しい座位」について質問したところ9割以上が上記のようなことを正論とし、これらによって腰痛リスクが軽減するという信念を持っていました。

座り方と腰痛リスクというのは確証がない、または明確な理由付けがされていないものでありながらも、専門職の人たちは持論を展開し、腰痛のリスクとその座り方について弁を振るうわけです。

これらはギリシャだけでなく、日本国内でも同じように理解されていますし、患者指導もされています。

次に不良姿勢になるプロセスから安定した座位を考えてみたいと思います。

座位は座面と足が支持基底面になるため、ここに重心が釣り合うことで安定した姿勢になると考えられます。

しかし、脊柱は視線や視野によって方向づけされるので画面などを見ているとそちらに誘導され、重心が支持基底面よりも前になってしまうことで座位姿勢が崩れます。

頭の位置が前に移動すると骨盤は後傾ぎみとなり、脊柱の生理的弯曲が崩れることで首や腰に負担がかかりやすくなります。

デスクワークなどで長時間、目を酷使する作業が増えるとこのような姿勢になりやすくなるのではないでしょうか?

また、腹斜筋や腹横筋の力が弱かったり、脊柱主に胸椎の柔軟性が低下した状態では骨盤を起こしたり、脊柱を立たせることができません。これをスランプ座位と言います。

こういった不良姿勢の特徴にはいくつかの共通点があります。

・目線の高さが低い

・肩の高さが高い、または上肢と体幹の距離が遠い

・頭が前方に下がっている

・坐骨での支点が後方ぎみ

・圧中心より支持基底面が前方にある

こちらに挙げたポイントが多くなるほど「良い姿勢」から逸脱していくと考えられます。

不良姿勢の発生を細かく追ってみると、正しい姿勢を保つことがいかに困難かが分かります。

座り方による健康への害

正しい姿勢が健康的であるかどうかはさておき、不良姿勢による座位が健康に及ぼす負の影響が大きいことは証明されています。

その理由をここでは

・座り方によって構造的なゆがみ(アライメント不良)は生じるのか?

・座り方によって痛みは増強するのか?

・座り方による椎間板などの組織が破綻するのか?

この3点に絞って考察したいと思います。

最初に紹介するのは座っているだけで脊柱の形状が変化するといった報告です。

腰痛のある人25人と健康な25人を対象とした30分間の座位でのアライメント変化の実験があります。

この実験では腰痛のある人の方が健康な人よりも胸腰椎の弯曲が大きくなったと結果に示されており、腰痛の人の長時間座位は猫背の原因になりうるという結果でした。

また6か月にわたる自然座位による前方への傾斜と脊柱、骨盤のアライメントの変化に対する研究では

 2 つの座位姿勢の間で、SVA(垂直軸) が平均 2.9 cm 前方にシフトしました (p<.001)。CL(頚椎前弯) は平均 11.62° (p<.001) 有意に増加し、TL (胸椎後弯)後弯は平均 11.48° (p<.001) 増加し、LL(腰椎前弯) は平均 21.26° (p<.001) 減少しました。平均 PT (骨盤傾斜)は 17.68° (p<.001) 増加しました。大多数の患者では、胸椎と腰椎全体が単一の C 字型曲線を形成する傾向があり、頂点は L1 (p=.002) 椎骨に移動します。

と、このようにあり、頚椎はカーブを強め、胸腰椎はS字ではなくC字の弯曲に近づくと考えられます。

これは座り方を意識せずに6ヶ月過ごしたことでの実験であり、無自覚な姿勢は期間を長く経過すればするほど背筋が伸びにくくなることを示唆しています。

何気なく座っている毎日が知らず知らずに背骨を丸めて猫背にしてしまっているということになります。

これが年単位になることで数年後の自分の姿勢がいい姿勢であるはずがありません。

では、脊柱の状態を保つ座り方としてはどんな方法が妥当なのでしょうか?

前傾した座面椅子を用いて、直立座位を強制した場合、通常の座面の時より体幹筋の活動は低いながらも腰椎の後弯を防ぐことができた。

このことからも椅子の座面が腰椎アライメントや体幹筋の活動に影響があることが分かり、フラットな座面より、やや前傾しているものを選ぶ方が姿勢維持には良いとされます。

しかし

椅子座位による脊柱への負荷は座ることで立位時の脊柱屈曲の約70%増となるため、椎骨または椎間板への負荷が増大するわけで、この問題を前傾椅子で全て解決するかと言えばそんなに簡単ではありません。

それは痛みを抱えた人々と健康な人々では座位に対する身体の反応が異なるからです。

腰痛や頚部痛を患う人々とそうでない人では何か座り方が違うのか?という点から考察しないといけません。

これにはふたつの研究結果にヒントがありました。

腰痛や頚部痛を持つ患者は座位姿勢で健康な人々よりも座面上で動きが少なく、また過度な筋緊張が見られるそうです。

また、痛みのない人々は動きのある座面に座った時に、腰痛がある人に比べて、体幹の筋活動が低値を示すようです。

座り方が痛みを誘発するかどうかはさておき、痛みのある人と健康な人で座るときの筋活動が違うということです。

座り方と多裂筋の筋厚、筋活動の変化という視点の研究にも面白いものがあります。

健康な人が無意識の座位で5分間維持した後に多裂筋の筋厚を計測したところ、スランプ座位、左右脚組にて筋厚の低下が見られたが、良い姿勢での座位時にも5分後は筋厚低下が見られたそうです。

これは骨盤後傾時にみられる屈曲弛緩現象が働いたものとされ、脊柱の屈曲ー骨盤後傾によって引き起こされます。

良い姿勢で座っていても腰椎を支える多裂筋はたった5分で力が発揮しにくくなってしまったのです。

これは驚きですね。

しかし、バランスボールでの座位では多裂筋の有意な筋厚増加が見られたことから、腰椎の前弯保持と関係があると推察されます。

多裂筋は骨盤の後傾時には筋活動が低下しやすく、前傾時に活動が増加します。このことから、骨盤の後傾を伴う座位では良い姿勢であったとしても多裂筋の活動は低下します。

わずか5分程度でも筋活動の低下につながるため、腰椎の前弯保持による多裂筋への刺激がほどよく行われることは長時間の座位生活にとって意識しておきたいことです。

このようなことから、スランプ姿勢や脚組みが生じる理由は多裂筋による腰椎支持が脆弱な場合に、代償的に受動的支持姿勢を取ることで筋の負担を軽減するための座り方とすれば納得できます。

ここまでで

·座り方によってアライメントに影響がある

·痛みのある人とない人で座っている状態の反応が違う

この2点が分かってきました。

座位姿勢は単なる加重や負荷といった物理的な外力が体にかかることで組織に破綻を来すわけではありません。

むしろ不活動による代謝物の蓄積が椎間板変性の原因にあり、そのため椎骨間の狭小化や椎間板ヘルニアなどを引き起こすとされています。

この変性に起因するのは多裂筋内への脂肪浸潤などが挙げられます。脂肪の浸潤は血管を増生し、炎症の引き金になるため、この慢性的な炎症を起こしやすい環境になることが椎間板を変性させたり、脊柱管狭窄症を発症させることになると考察します。

また、椎間板変性の因子としては腰椎の前弯減少が起因するともされ、これにも多裂筋の脂肪浸潤が影響しているとの報告があります。

腰痛リスクを測る上で多裂筋の断面積は12ヶ月までの腰痛と関係があることが分かっており、脂肪浸潤による多裂筋の萎縮は腰痛の因子になりえます。

このようなデータからも腰椎前弯の少ない方、椎間板に変性がある方などは前傾した椅子やバランスボールなど、多裂筋を刺激できる椅子にした方が良さそうです。

座り方で腰椎や椎間板が壊れることは考えにくいですが、長時間の座位によって構造的な問題によって起こる代謝物の蓄積や脂肪浸潤が促進されてしまうことで椎間板に変性が生じる可能性は高くなるため、こまめに立ち上がることや椅子の工夫は必要です。

ただ、正しい姿勢で座ることが健康につながるという理屈は真に受けすぎないことです。正しく座っていても頻度や時間によって体調を崩すことはあるわけですから。

正しく座るのではなく

これで正しく座ることに大した意味がないことがわかってきました。

そして不良姿勢を続けないことも同時に大事だと理解できました。

一日7~8時間座った暮らしをするのであれば、腰椎の前弯減少を避け、スランプ姿勢や脚組をせずに過ごせるようになりたいものです。

そのために多裂筋の変性や萎縮が起こらないようにすることが大事なことはポイントになりました。

多裂筋の解剖

多裂筋は腹横筋と胸腰筋膜で連結し、骨盤底筋とも協同して脊椎の安定性のために機能します。

 

多裂筋のエクササイズ

このように四つ這いになり、膝の上に体重をかけることで同側側の多裂筋に力を与えます。

腰を反り過ぎないことがポイントです。

多裂筋のエクササイズで最適なのは意外にもデッドリフトやスクワットのような過重負荷運動です。強度50%程度で行うことが推奨されています。

しかし、デッドリフトやスクワットのような全身の協調的運動を伴うエクササイズはフォームを安定させることが前提にあり、腰痛がある方や座る姿勢が保ちにくい方がこれをスムーズに行えるか?という疑問があります。

ただ、ここから考えられるのは殿筋のストレッチや股関節の安定性が座位には非常に重要で、座りっぱなし生活をしている人にとっては股関節の屈曲や殿筋の運動はかなり苦手となる印象があります。

そのため、長座などで骨盤を立たせるような肢位が保てず、骨盤が後傾してしまいます。

ここで最初の話に戻るのですが、正しい姿勢で座位を保つにはトレーニングによってフォームを安定させた上で筋力の強化、維持に努めておく必要があります。

これは単に筋力という話ではなく、心肺機能や循環器系、脳科学や運動神経学としても必要なことだと言えます。

結論としては

姿勢を正しくすることで背骨が整うというよりは、姿勢を正す意識を持つことで様々な健康にもたらすポジティブな効果が得られ、座りっぱなしの害からも身体を守ることができるのではないか?ということになります。

 

 

 

 

 

 

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