自律神経と痛み
目次
自律神経とは
自律神経の乱れが原因です。
ストレスで自律神経のバランスが崩れがちです。
原因がわからない症状に対して、自律神経のせいになっていることがよく見受けられます。
自律神経は運動神経と同じ遠心性の神経伝達で、主に臓器や生理的なリズムを司る神経です。
交感神経と副交感神経があり、これらがお互いバランスを取り合って生命のリズムと恒常性(ホメオスタシス)を保つようにはたらきます。
痛みにも自律神経は当然影響しています。
血圧と痛みの感受性
血圧は自律神経支配です。
交感神経がはたらくと血圧は高くなり、副交感神経がはたらくと血圧はわずかに下がります。
痛みが強い場合は交感神経がはたらき、血圧が高くなります。
しかし、高血圧の人は低血圧の人に比べて痛みの閾値が高く、痛みには強いと言われます。
これは血圧上昇にはたらくレニンアンジオテンシン系が、脳内麻薬のオピオイド系を介して痛みを緩和に作用するからと言われています。
低血圧の方は頭痛などの慢性痛に対して閾値が低く、痛みに敏感です。
レニン系の遺伝子は好戦的な種族に多いと言われ、難治性の疼痛疾患の患者にもレニン系遺伝子が影響しているとも言われています。
自律神経の障害による痛み
筋骨格筋痛は交感神経ブロックによって遮断する治療が施される場合があるように、慢性的な痛みは交感神経の異常などが影響することもあります。
外傷や手術後などは交感神経障害が起こりやすいとも言われています。
自律神経は変化に対して適応するためにバランスを取ります。
そのため、強い痛みや障害が発生するとそこに対して適応できない場合に異常がおこることがあるようです。
交感神経と腰痛
腰痛も交感神経を優位にはたらかせます。
脊柱の側方には交感神経節があり、腰を丸めたような姿勢が続くことでこれらの伸張が持続します。
こうした伸張刺激は交感神経を昂らせ、血流の変化を起こすため痛みを感じさせます。
交感神経の興奮は血管を拡張させ、神経伝達に血液の需要を生みます。
しかし、筋の緊張などによって血流が阻害されれば血液の供給がいかず、痛みによって血圧が上昇します。
起床時の痛みなどはこのようなメカニズムで起こりやすく、動くようになれば血流が改善するため痛みは緩和します。
ここではあまり触れませんでしたが、副交感神経がはたらくときは鎮痛時です。
よって、集中したり、リラックスしている時は副交感神経がはたらいているため、痛みは感じにくくなります。
痛みの改善には脳を休めることが大事というのは、こういうところからも伺えますね。