慢性的な骨格筋痛と心理ストレス
目次
原因不明と心理的要因の違い
慢性的な腰痛や首肩痛で原因不明なものを心理的要因としがちな風潮があります。
痛みは生物学的要因、心理的要因、社会的要因(BPS model)として語られます。
そして、神経性疼痛、侵害受容性疼痛、心理社会的疼痛と痛みはこれらが常に介在しており、このどれかではなく、その時々でそれぞれの色が変化します。
非特異的な慢性痛では、特異的な徴候が見つけにくいため、心理的な要因を深堀りしすぎてしまうところがあるようです。
キネシオフォビア
慢性筋骨格痛の方の心理的な影響として代表的なものがキネシオフォビア(運動恐怖)です。
痛み回避の信念が強く、運動する事により痛みが増悪すると考えます。
自己効力感、痛みの回復予測が低く、痛みを強く感じます。
キネシオフォビアは痛みの心理的要因になります。
ストレスと頚部痛
ストレスは頚部痛の誘発因子として注目されます。
しかし、この因果関係についてのエビデンスはあまり高くないようです。
様々な研究では、因果関係が認められていますが、検査の基準が定まらないのが理由です。
ストレスが頚部痛と関係があるというよりも、ストレスへの耐性、対処のコントロールが頚部痛の持続や強さと関係がありそうです。
心理的という逃げ道
心理的という目に見えないもののせいにするのは危険です。
心理的要因を強化してしまうことにもなりかねません。
慢性痛の場合、動き方、考え方をトレーニングすることで心理的要因を克服できるようになります。
運動療法、脳科学を併用していくことが推奨されます。