腰椎の安定と呼吸の関係
目次
慢性腰痛患者の効果的な介入とは?
慢性腰痛の人は徒手療法に頼りがちですが、徒手療法は残念ながら単体ではあまり効果が高い介入とされていません。
運動療法と認知行動療法を軸にした介入は効果が担保されています。
腰痛のある人は動く事で痛みを感じる事が多いため、運動などよりもマッサージや整体に頼り一時的な痛みの緩和を好みますが、改善する保証がないものです。
日本では認知行動療法はメジャーではなく、心理的な問いかけや主体的な行動改善、指導は自分で取り組むというハードルが高く、浸透しにくいのが実情です。
腰痛が慢性化する理由は腰痛への理解に誤解があり、それが一般論的な解釈として浸透していることも理由の一つです。
腰痛改善への一歩
腰痛のある人にとって自覚しやすいのは、腰部の弱さ、不安定感です。
腰椎は脊柱で最も大きく強い骨であるにも関わらず、腰痛患者にとっては弱い部分という認識が起こります。
腰椎の分節的な不安定感は姿勢維持や呼吸機能の低下などにも影響します。
腰痛改善への第一歩としては腰椎の安定化エクササイズをサポートしながら開始する事は時間も短く、自宅でも出来るため、取り組みやすいと思います。
運動したくない
運動指導の障壁は患者さんの運動したくないという考えです。
運動が最も効果的な介入であるのは、患者さん自身も理解はできますが、実行するのにはハードルが高いようです。
運動が困難な場合は呼吸エクササイズが腰椎安定化機能を高める効果があるという報告があります。
腰痛の有無に関わらず、呼吸による筋肉の厚さは呼気終了時および吸気終了時のフェーズで内腹斜筋、腹直筋の厚さが増加し、外腹斜筋が低下したそうです。
呼吸によるコアトレーニングはこれらの筋にとって働く意義があると考えられます。
腹部筋の活動は背部、脊柱周囲の筋活動を低下させます。
運動に抵抗がある患者さんには、まず呼吸エクササイズから始めるのは運動による億劫さや恐怖といった心理的な障壁を超えやすくする可能性があります。