五十肩の治療と経過について
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五十肩とは?
肩関節の痛みには五十肩と呼ばれるものがあるために加齢による変化が原因だと考える人は少なくありません。
好発年齢が中年期40~50代であることからこのようにいわれますが、五十肩は広義な俗称であり、肩甲上腕関節周囲炎が医学的な広義となり、腱板損傷、石灰沈着性腱板炎、上腕二頭筋長頭腱炎など病態も多彩です。
デスクワーク、または重労働によって起こるとは言いきれず、手指作業者に起こりやすいとされています。
また、頚部痛を肩の痛みの前に感じていた人の方が、首の痛みがない人よりも発生率が高いとも言われています。
症状は自発痛、夜間痛、可動制限、腕や手指への痺れや痛みを伴うことがあります。
五十肩の治療効果
五十肩の治療に徒手療法やマッサージを選択する方が多いようですが、実際は一時的またはあまり持続的ではないようです。
有害事象も多く、理解のない術者による無闇な介入にはリスクを伴います。
徒手療法に運動療法を加えても、癒着性の肩関節周囲炎に対しては糖質コルチコイド注射を上回る効果は得られないようです。
回旋腱板疾患に関しても、徒手療法と運動療法が糖質コルチコイド注射を上回る効果は得られませんでした。
しかし、痛みの緩和、生活の質の向上などについて患者の報告による効果はあるようで、プラセボ的な側面だけでなく、運動指導によっては自己効力感の向上によって痛みのコントロールがしやすくなるのかもしれません。
予後と再発
五十肩は割と予後は良く12~24ヶ月で自然寛解する場合がほとんどですが、治療か遅れると長引く傾向があるようです。
再発に関しては数ヶ月から数年の間で反対の肩も含めて同様の症状が起こることがあります。
反対の肩の場合は、以前痛めた肩と同じような経過を辿る傾向があるようです。
予防としてのエクササイズ、寒さ対策、睡眠などの疲労ケアが必要になります。