睡眠の改善には痛みの改善効果があります
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慢性痛と睡眠
慢性痛を訴える患者の睡眠障害は深刻な問題で84%は睡眠障害を訴えます。
深い睡眠の削減は筋肉の痛みと関係があります。
痛みの強さは高~中程度でした。
これらの痛みは心理社会的障害レベルが高く、主観的な幸福感が低かったようです。
睡眠障害は余暇または社会活動の中の痛みと心理社会的障害が予測因子となります。
痛みと睡眠障害は共有される神経伝達物質によって相互に関連しています。
睡眠の改善は痛みを和らげるか?
睡眠の短期的な改善は6か月の痛みを改善するのに関連していましたが、長期的な痛みには有効ではなかったようです。
脊柱や関節の痛みを訴える患者に対し、認知行動療法と投薬で睡眠をコントロールしたところ腰痛の改善に効果があったようです。
痛みは睡眠を妨げますが、睡眠不足も痛みの閾値を下げます。
このように痛みと睡眠は相関関係にあり、どちらかを治療または改善する必要があります。
痛みも睡眠障害も心理社会的因子が強く絡んでいるため、物理的な治療にはあまり期待が持てません。
疲労度や倦怠感が加わると更に痛みと睡眠障害は増悪しやすくなります。
そのため、睡眠を投薬などでコントロールしつつ、疼痛管理をする方が現実的な場合もあります。
整体などによるアプローチは現実的か?
リフレクソロジーによる足の施術は睡眠や倦怠感にポジティブに影響をしました。
痛みに対しては効果は少なかったようです。
背部のマッサージはICU患者の睡眠の質を大幅に改善しました。呼吸の改善もみられたそうです。
呼吸は睡眠障害の中でも影響が強い要素です。
カイロプラクティックによる不眠症の改善は証拠が不十分でした。
マッサージおよび受動的な運動介入は更年期の不眠症重症度指数を改善しました。
これらのことから安心感の確保とスローで皮膚圧に緩やかな刺激を与える手技が効果的だと考えられます。