中年期になると就寝時に足がつる
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足がつる
「足がつる」という症状について多くの相談があります。
特に多いのが寝ている時に足がつるという症状。
足がつることが頻繁にあると何か重大な病気じゃないか?なんて心配になる人もいますね。
そこで、しっかりと知識を持っておくと冷静に対処もできますので、今回は「足がつる」について書いてみようと思います。
足のつりは筋クランプといい、50代を過ぎた人は健常者でもほとんどの人が経験します。
60代以降は6%の人が毎日、足のつりを経験しているようです。
多くはふくらはぎで次いで大腿部です。
夜間に足がつる原因と引き金
nocturnal leg cramp(夜間に足がつる)は、有痛性の筋痙攣と同時に筋の軽いひきつり、異常感覚、足の屈曲力低下などの末梢の運動および感覚系の過剰興奮と機能低下が関与していることが分かっています。
原因は神経系の関与が有力のようで、要因はいくつかあります。
・筋力不足
・無理な方向への力
・拮抗筋の緊張
・力み
・オーバーワーク
・筋疲労
・急な過負荷
・ミネラル不足(バランス)
・血流不良
・冷え
・不完全麻痺
これらが要因となり、末梢神経系の作用によって起こるようです。
中年期以降に多いのは?
よく言われるのは活動量の低下とともに起こる筋力低下、筋の粘弾性低下による伸縮不良、運動神経の伝達の鈍化などで不随意の運動による筋収縮が機能低下するためではないかということ。
そこに加え、循環器系の影響として血行不良特に下腿部の筋収縮の弱化などによる下腿浮腫などが筋活動に悪影響を及ぼします。
ミネラルバランスの不均衡も、こういった運動不足や血流の不良が招く問題とも言われています。
就寝時は動かない、汗をかく、クーラーなどで局所的に冷えるなどによって足がつりやすくなります。
所見
通常の筋クランプは筋収縮や過度な運動後、運動中に起こり、徐々に消えますが痛みが残存する場合もあります。
下腿より下位がつります。
範囲が広汎なものは代謝性疾患、神経性疾患の疑いがあります。
頻繁に起こる場合、脱水症,低Ca血症,低Mg血症,腎不全,肝硬変,糖尿病,甲状腺機能低下などの代謝異常がある可能性を疑う。
Ca拮抗薬,β遮断薬,HMG-CoA還元酵素阻害薬,利尿薬などによる薬剤性も考慮する。
足がつったら?対処と効果
足がつった場合は、筋の伸張方向へストレッチをします。
50代の人にふくらはぎとハムストリングのストレッチを毎日組み合わせて 6 週間行うと、夜間の下肢の筋肉のけいれんの重症度が軽減する可能性があります 。
しかし、60代の場合は12週の間、毎日ストレッチを続けても夜間の下肢の痙攣頻度に変化はなかったそうです。
足のつりは年代が上がるほど改善が難しくなるようです。
よく処方されるマグネシウム経口薬は足のつりを大きく改善する効果が高いという証拠はみつかりませんでした。
しかし、妊婦の場合は頻度が減少したというデータがあります。
予防として気をつけたいのが
・下肢筋肉量の維持
・活動量を増やす
・ふくらはぎだけではなく、大腿部や股関節のストレッチ
・カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを含む食事
・水分補給
足がつるようになったら、筋肉量や活動量が減少している可能性があります。
生活を見直してみることが最優先です。