ゴルフによる腰痛(回旋系スポーツの腰痛)
目次
ゴルフでの腰痛は捻る動作が影響している
ゴルフやテニスなどの回旋系スポーツによる腰痛は多く見受けられます。
先日のこのような腰痛の患者さんが来院され、
「腰が痛いからほぐしてほしい」と言われました。
回旋系スポーツによる痛みをほぐすことで解消しようとするのは大きなリスクを伴います。
筋損傷や筋疲労の影響もあり、痛い個所を直接刺激する方法は炎症がある場合はもちろん禁忌です。
ゴルフやテニスなどの回旋系スポーツの腰痛は60%が捻る動作に影響されていると言われており、この場合特に外腹斜筋がその原発部位とされています。
回旋方向と対側の外腹斜筋は体幹を捻る時に収縮します。また、骨盤の安定筋でもあります。
回旋時に使う筋を痛めているにも関わらずそこをほぐすことで痛みは改善するのでしょうか?
ゴルフにおける腰痛の危険因子
ゴルファーの腰痛の原因となりうる危険因子はいくつか考えられます。
・脊柱の過剰なサイドベンドやオーバーローテーションにつながるスイングの欠陥
・異常な筋肉動員
・体幹持久力の低下
・制限されたリード ヒップの内旋
・不必要にストレスの多いクラブ移動方法の使用
などが考えられます。
大きく分類すると筋力の低下とスイングのフォームの欠陥が2大要因になりそうです。
ゴルフフォームにおける腰痛リスク
腰痛歴のあるゴルファーとないゴルファーでは腰痛のある群で、体幹伸展強度と股関節内転強度が低く、非リード側への体幹回旋角度が制限されていました。
腰痛のないゴルファーのダウンスイングは腰痛のゴルファーの2倍以上の体幹屈曲速度があるようです。
腰痛のゴルファーは外腹斜筋の収縮スピードが腰痛のないゴルファーよりも遅くなるそうです。
これらから、ゴルフフォームの影響は
・スイング時の体幹速度と筋肉の収縮速度
・股関節での回転可動域
これらが腰痛のゴルファーでは低下していると考えられます。
腰痛を抱えたゴルファーがすべきこと
腰痛を抱えたゴルファーはベッドで寝ているだけで施術されて改善するでしょうか?
このようにスイングフォームや筋力、体幹の柔軟性や可動性などのアプローチをせずに改善するとは考えにくいです。
また、素振りだけではなく、実際にボールにインパクトしてみたりTアップされたボール、ラフやバンカーに捕まったボールなど、実際のシチュエーションを考えずに競技復帰や練習量を決めることも危険です。
ゴルファーの腰痛の場合
・体幹筋力
・体幹コントロール
・股関節の可動域拡大
・殿筋の強化
・重心移動のトレーニング
・回旋の瞬発力
このような訓練は欠かせません。
炎症がなければ、一時的に凝り固まった筋をほぐすのはいいかもしれませんが、これは治療にもケアにもならず機能を回復させるトレーニングをするための予備操作くらいの感じです。
当院では痛みの改善後にフォーム修正に必要な筋力アップや動きの改善をトレーニングできます。
ゴルフなどで繰り返される腰痛の方はぜひご相談ください。