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2022.11.26

40代からの散歩のすすめ

  • #腰痛 #膝痛 #ウォーキング #接骨院

散歩から始めようと考えているあなたへ

40代になると途端に体力の低下や体型の崩れが気になりだしますよね。

運動も三日坊主で終わると今までの経験から分かっているので、なかなか積極的になれません。

ただ、このままじゃ

足腰が弱ったり

腰や膝が慢性的に痛くなったり

肥満による様々な病気になるんじゃないか?

そういう不安が頭をよぎると、何か始めないと…。

と考えるのではないでしょうか?

まずは散歩から

そう思うようでしたらぜひ始めてみましょう。

沢山歩くに越したことはありません。

でも、少しでも長く続けるには短い時間でも毎日継続することの方がずっと大事です。

歩くことを始めようか?

そう迷っている人に歩くことの効果を少しだけ紹介します。

これを読んで一歩を踏み出してもらえたら嬉しいですね。

歩くことのメリット

歩くだけでも死亡リスクが減るという研究データがあります。

1日に4000歩歩く人と8000歩歩く人では死亡リスクが51%減少しました。

さらに2000歩追加することで65%減少しました。

動かないことで起こるデメリットの多くは循環器系や心肺機能、認知低下などと言われています。

歩く歩数を増やすことでこれらのリスクが低下するため、死亡リスクが下がるようです。

歩く=筋トレのようにイメージされている人も多いようですが、動かないことはむしろ生理的な不調に影響しているため、そのような機能を賦活させるために歩いた方がいいという考え方をした方が近いと思います。

歩かないことは確実に病気や不調を寄せ付ける原因のひとつになります。

歩行機能を高める

そろそろ歩こうかな?

そう考える人の多くは運動不足や体の不調、衰えを感じてきたからではないでしょうか?

体が硬い、筋力が弱い、腰が痛い、足が浮腫む、疲れやすい

こんな人たちが体力の低下を危惧して歩くことから始めようとするでしょう。

歩行機能を高めることで心肺機能や体力、筋力を増強しエネルギー代謝を高まることを願います。

一般的にはダイエット効果を期待するのではないでしょうか?

散歩で痩せることは可能なのか?

ということですが、これは以前書いた記事でも紹介しましたが散歩だけではかなり厳しいと言っておきます。

ウォーキングの本当の効果とは?|サンシャイン通り接骨院|池袋の腰痛・肩こりケア (sunshine-street.jp)

筋肉量を増やしたり、体脂肪を減らしたりといったダイエットには即効性がない為、期待するともどかしくなるでしょう。

歩いて手に入れたいものは歩行機能や体力を高めたり、歩行による姿勢コントロールを高めることを目的にしてみるといいでしょう。

歩く速さ

歩く速さについては

最速歩行と最大低速歩行の両方について考察する必要があります。

最速歩行に関しては大腿四頭筋の筋力に有意な差があり、その他の筋より重要である事が分かりました。

これは、膝の伸展力が歩行速度には関係するという意味であり、ハムストリングスなど膝屈筋の短縮や大腰筋などの股関節屈曲が阻害因子となりえます。

座位や中腰などの作業時間が増加する事で膝伸展や股関節外転筋力が促通低下しやすくなります。

こまめに立つだけでなく、膝の伸展運動による大腿四頭筋強化は歩行速度を高める上でポイントになります。

最大低速歩行については足趾把持筋力が高いと意識的にゆっくりな歩行や歩幅を狭めた歩行が可能になるようです。

所謂、足の内在筋ですが平地以外の歩行をしないと中々刺激されません。

よく足の指をグーパーする事やタオルギャザーなどが検索すると出てきますが、臨床的にはあまり効果を感じません。

ひとりで行うのは難しいですがshort footエクササイズや片脚立ちのチューブトレーニングの方が効果がありそうです。

また、歩行速度の低下には痛みも関連しています。

2ヶ所以上痛みのある体だと歩行速度に影響があり、腰痛と膝痛だと腰痛は歩行速度に有意な相関はなく、膝痛は影響があるようです。

高齢者になると大腿四頭筋、足趾把持筋に加え、下腿三頭筋、足関節底屈が歩行速度に影響します。

40-50代で下腿の浮腫み、疲労感がある人、スクワットで大腿前面に負担を感じる人は歩行速度の低下が起こり始めている可能性があります。

歩行バランス

散歩を始めようという人にその理由を伺うと

歩けなくなると困る

という答えが返ってきます。

しかし、歩けなくなるリスクが高いのは体脂肪量が中年期に少なく、虚弱、痩せ体型の方。

それ以外の方は

転倒リスクについて危惧した方が良いかと思います。

65歳以上の年間の不慮の事故のうち転倒による死亡は交通事故の約4倍と言われています。

その大多数が同一平面上での転倒によるものです。

坂道や階段ではなく、家庭内の床の上で転倒しているのです。

その理由のひとつがバランス感覚の低下です。

40代での基準を示すと

開眼片脚立脚で180秒以下なら転倒リスクが高いと考えます。

3分間片脚立ちできるか?というのが目安になります。

バランス感覚は視覚、前庭感覚、体性感覚といった中枢神経の姿勢制御、予測、motor controlなどが複合して行う複雑な運動機能です。

姿勢を変えたり、自分の体のサイズ感や位置情報の認識など情報を統合する能力が低下します。

歩く事はこれらの能力や機能を統合して行います。

また散歩は情緒や季節に触れ、情動に作用する事から認知機能にも働きます。

バランス感覚は筋肉量も必要ですが、40代で極端に低下する事はありませんので、脳や中枢神経系を刺激する事で心身のリフレッシュやつまづきを防ぐ体力や認知力を高めるといいですね。

痛みを和らげる

歩く事で痛みを和らげる事が出来ます。

しかし、2ヶ所以上の痛みがある場合、膝や股関節の痛みがある方、末梢動脈疾患のある方は痛みで歩く事が困難になる場合があり、挫折してしまいがちです。

ここでは腰痛と膝痛について歩行による痛みの軽減効果を調べてみました。

慢性腰痛

40代の3割強が慢性的な腰痛を感じています。

慢性腰痛の原因は広く、多岐にわたるため集学的なアプローチが必要になります。

しかし多くの方が慢性腰痛を積極的に治療しようとはしておらず、痛みで我慢できない時だけ対処療法的にマッサージや整体などで簡易的に和らげているのが実情です。

慢性腰痛の患者に歩行エクササイズは有効だとされています。

痛みのコントロールができる理由として腰椎安定化エクササイズだけの群よりも歩行エクササイズを加えたり、歩行エクササイズ単独の場合で筋持久力が上がったことを挙げています。

慢性腰痛の痛みのコントロールには筋持久力を高めることが体幹筋力や腰椎安定化に加えポイントになるようです。

またウォーキングはスイミングやサイクリングと比較しても短期および中期的に効果が高かったようです。

スイミングやサイクリングではウォーキングほど効果がはっきりしなかったとの結果からも確実性はウォーキングに分がありそうです。

しかし、腰痛リスクとなると徒歩と自転車通勤の人は車での通勤の人に比べて腰痛リスクが少なくなったようです。

自転車は腰痛の治療効果は薄いが、予防効果としてはありそうです。

これらのエビデンスは信頼度が低~中程度に見られ、信頼の高いエビデンスでは急性および慢性腰痛の管理に歩行エクササイズを用いる確実性には至っていないようです。

臨床的には歩くことを習慣化し、情緒的な作用も含め継続的に楽しめている人の方が腰痛が軽減するように感じます。

「歩いているんですけどね」と言って痛みが改善しにくい人も当然います。

荷物の重さや腰以外の不調、疲労の蓄積、睡眠不足など別の要因との因果関係も考慮する必要があります。

膝の痛み

膝の痛みは大腿四頭筋の促通を低下させたり、収縮の阻害因子になります。

そのため、歩行時に大腿四頭筋の筋力低下が起こりやすくなります。

膝OA患者にとっては運動療法が推奨されますが、痛みによって挫折することもしばしばです。

最初に膝の痛みを感じる年代は50代が29%、40代が25%。

この年代から膝の痛みを感じる割合が増えるのは、大腿四頭筋の筋力低下、膝の伸展動作の減少、股関節屈筋の過剰な使用、殿筋の弱化などが考えられます。

歩行機能はまだ衰えていない年代ですが、座りすぎや下肢の筋力を発揮しない生活が背景にはありそうです。

膝の痛みの治療としてより、予防として普段の生活の中での歩行頻度が将来への積み重ねになります。

肥満の予防

男性の肥満は40代が最も多く39.7%です。女性は高齢者になると多くなるようです。

ウォーキングは有酸素運動なため、脂肪の燃焼になるとイメージされますが歩くだけでみるみる痩せていくことはなさそうです。

むしろ長く続けることで心肺機能や循環器系にいい影響を与え、脂肪を燃焼しやすい体質になります。

体重が気になりだすことでウォーキングをする気になると思いますが、何よりも運動を継続的に行うことで意識できることも増えていくため、健康意識の向上につながります。

些細な運動を継続することで大きなメリットは自ら負荷や種目を増やしたり、バリエーションを加えて飽きないように工夫できることです。

太らないようにという事以上に

足が軽い、痛みを感じにくくなった、疲れにくくなった。

という感覚的な変化が食事や睡眠にも意識を向けるきっかけになります。

散歩したくなりましたか?

いかがでしょうか?

散歩をすることで得られることは

・死亡リスクの低減

・下肢筋力(大腿四頭筋、足趾把持筋)の強化

・痛みの軽減

・認知機能の低下予防

・体性感覚の向上

・肥満の予防(血糖値の抑制)

・健康意識の向上

主にはこのようなことですね。

毎日駅まででも構いません。ちょっと遠回りでもいいでしょう。

歩く時間を少しでも長くしてみてください。

数か月後に小さな変化を感じると思いますよ。

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