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2022.12.15

高齢者の痛みと認知機能

  • #腰痛 #認知 #接骨院 #池袋

認知機能と痛みの関係

年配の方の慢性的な痛みに関わると障害や損傷の程度よりも別の影響を受けている感じがします。

思うように動かせない感覚や自分の体の位置情報をうまく処理しきれないような感覚。

痛いという感覚がそれを乱しているようにも思えますし、そういう感覚の不自由さが痛みの閾値を下げているようにも感じます。

感覚がズレていることと痛みの感覚がお互いに作用しあっているかのような現象です。

慢性腰痛の心理的危険因子に対する認知的、感情的プロセスを評価した実験では

感情の調節、体性感覚の増幅、反芻におけるいくつかの側面の困難が負の影響と機能不全の信念の増加、およびそれらの心理的危険因子と痛み/障害との関連において重要な役割を果たしていると結論づけています。

これは痛みの慢性化が、いくつかの認知的、感情的な調節不全と作用しあうという意味です。

認知機能には基礎となる低次機能(身体能力)と精神活動を伴う高次機能(精神能力)があり、高次レベルになれば意識化されself awareness(気づき)が最も上位の活動なため、もし仮に基礎的な機能が低下していても周囲のアドバイスや助けにより対応できます。

これを遂行するためには論理的思考やまとめ力、創造的な発想などが必要であり、その基礎力となる記憶や情報処理能力が欠かせません。

精神的な活動によるトレーニングは言語化や今の現状を現実的に把握する力を育みますが、痛みの持続化に伴い、思考停止や感情の調節不全、人間らしい思いやりや表情を見て話すなどの社会的認知機能の低下などが新しい学びや発見を妨げる要素になるため、いかに痛みを克服するか?早く軽減させるか?という対処が優先されます。

このように書くと今の痛みが実は本当の痛みではないのか?という話になりますが、痛みはその人の感覚ですので、痛みを抱えた人が感じている痛みに本当も嘘もありません。

しかし、感受性を余計に高めている可能性はあり、その感受性が痛みの閾値を下げることで強い痛みになっていると言えます。

体力というベース

そうは言っても痛みを改善するために、脳の機能を高めることや感情に対する気づき(意識化)が必要だという話をしても理解されないでしょう。

とはいえ、認知機能の低下に関係することの根幹にあるものと言いますと体力です。

体力のない人が精神活動をしても、行動に移せるバイタリティや失敗しても起き上がれるレジリエンスが発揮できなくては逆効果になります。

精神活動は脳のエネルギーを多く消費します。そのため、体力がない人が精神活動ばかりを行うとストレスが強くなってしまいます。

ヨガが肉体を鍛えながら、精神を昇華するように

武道が心技体をひとつとするように

まずは肉体への鍛錬なくして、精神性は高まりません。

体力の中で人間が最も優先すべきは持久力ではないでしょうか?

人類は速さよりも長距離を移動できる脚とスタミナが特徴的な哺乳類です。

大きな脳を維持するためには高エネルギーな代謝活動が必要なため、糖質の補給を欠かせません。

筋肉と肝臓にグリコーゲンを貯蔵できることで長時間動くことが可能になりましたが、その結果脚を長く直立歩行で遠くまで食料を探しに行かなくてはならなくなりました。

人類は非常に高カロリーな生物になったのです。

脚の発達は頭部を最上部に位置し、大きな脳を脊柱上で支える構造へと進化します。

これにより360°見渡せる姿勢を手に入れることができ、認知機能が発達していきます。

人類はもしかすると広い世界に対する行動力によって、新しい発見をし、様々な文化を知り、経験から学ぶことが本能的に備わっている生物なのかもしれません。

それを可能にする体力がスタミナであり持久力です。

疲れにくい体を手に入れることができれば、同時に脳は成長し認知機能は高まると考えることができます。

歩けば認知機能は高まるのか?

では、一番手っ取り早い活動である「歩く」ことで持久力と認知機能を高めるにはどのような歩行が必要なのかを考えていきます。

一番信頼が高いもので

歩行速度が速いと認知機能は維持しやすくなる。

という研究がありました。この研究によると11歳までの歩行速度が認知機能の低下に関係があるようです。

幼少期の歩行速度が遅い人の方が認知機能が低下しやすかったとのこと。

子どもの頃から歩行速度を速くしておくと加齢による機能低下が防げるようです。

また、歩行速度が速い人の方が脳の実質が維持されやすいようです。

1)IQが高い

2)脳の萎縮がない

3)脳の皮質が厚く、表面積も広い

4)脳の虚血を示す高輝度領域が少ない

これらと相関があったようです。

また、二重のタスク(計算しながら歩くなど)によって歩行速度が低下する人に嗅内野の萎縮が見られることから、二重タスクによって歩行速度に低下がある場合は認知機能低下を起こす可能性が高いという予測ができるようです。

ただし、元々同時にいくつものタスクをこなすのが苦手な人もいることから、信頼度は高くありません。

熊本大学の研究では歩行機能が高い人は速く歩けるほど記憶力に長けていることも分かっています。

記憶力と歩行速度が同時に低下した人は健常者の6倍も認知症リスクが高まるという研究もあります。

このようなデータから考えると、歩行速度が鍵になると考えられます。

インターバル速歩

脳の認知低下と痛みの関係を調べていくと特に記憶力と実行力の低下が持続的な痛みを抱える人で顕著だったそうです。

この記憶力と実行力、そして持久力を鍛えるために「歩く」という日常生活で行う活動を利用するとインターバル速歩という方法が出てきました。

3分間の速歩と3分間の通常歩行を繰り返し5セット行うというものです。

結果として以下の効果が得られたそうです。

  • 筋力が10%、持久力が最大20%向上
  • 低体力の群で高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病指標の点数の値が20%改善
  • うつ指標の値が50%改善
  • 睡眠効率(睡眠時間/寝床に入っている時間)が改善
  • 浦上式認知機能テストをPC用にアレンジしたプログラムによる認知機能測定の値が4%向上。とくに軽度認知障害(MCI)の人たちでは認知機能測定の値が34%改善
  • 膝関節痛の症状が、50%の人が良くなったと回答
  • 骨密度が第2-4腰椎で0.9%、大腿骨頭部で1.0%増加
  • インターバル速歩後に糖質・乳タンパクを摂取すると、体温上昇に対する皮膚血管の拡張度、発汗速度が3倍亢進

(健康長寿ネットより抜粋)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/intabarusokuho.html

高齢者の痛みに対する考え方

高齢者の場合は痛みの訴えが単なる筋肉や筋膜の問題とも言えず

構造や組織的な異常がないことは前提になりますが、それ以上にこの認知的な側面を無視することはできません。

高齢者はただ単に痛みを訴えているわけではなく、自己の衰え、ふらつきや躓きなどの足場の不安感、理解力の低下なども含めて痛みなのだと思います。

それこそ、孤独感や喪失感も痛みと繋がるかもしれません。

人間の老いというのは必ず訪れるものですが、本人が自覚できるまでは色々な出来事があり、痛みという感覚を通して自覚する場合もあるのかもしれません。

私たちセラピストはよく

あのおばあさんは接骨院に話をしに来ている

なんて言ったりします。

その話をしにくることも含めてケアになっているのかもしれません。

 

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