姿勢が悪くなる生活習慣と癖と心
目次
姿勢の悪さを招く悪習
姿勢の悪さにはいくつもの要因があります。
①長時間のデスクワーク
②運動不足
③筋力不足
④栄養不良
⑤疲労
⑥睡眠不足
⑦老化
⑧病気
⑨肥満や痩せ
これらは一部ですが、比率的に多いものとして指摘されます。
癖によって起こる姿勢のゆがみ
この中でも更に大分類にしていくと見えてくるのが姿勢の癖です。
長時間の同姿勢や作業環境による姿勢の癖では視覚や前庭感覚といったバランス感覚が癖を直しずらくしています。
バランス感覚は筋力とは違った能力ですので、いくらトレーニングをしても改善されません。
実は姿勢改善がしにくい人の多くがこのようなバランス感覚に支障を来しています。
特に目を酷使する作業などは視覚の偏りが生じやすく、同時に前庭感覚にストレスをかけます。
姿勢の癖を放置したまま、骨盤矯正やトレーニングを行うとしても日常の生活が変わらないのであれば姿勢は変わりにくくなります。
感覚のズレと姿勢のゆがみ
姿勢は体性感覚、視覚、前庭感覚の3つのバランス感覚と筋バランス、脊柱のアライメントがポイントになります。
バランス感覚は前述しましたが、これらが影響をもたらすのが筋バランスと脊柱アライメントです。
筋バランスは上位交差症候群、下位交差症候群に代表される、前後・上下のインバランスが問題とされます。
脊柱には生理的弯曲といったカーブが存在します。
このカーブは脊柱の安定と柔軟性という一見、矛盾するような機能を同時に可能にしています。
この機能を助けるのが筋バランスなのですが、不良姿勢によってこの機能が低下するとアライメント異常が起こります。
これらが体性感覚に影響を与え、感覚系の低下が起こるためにさらに姿勢が保ちにくい状態になります。
すると、体の認知としても「ゆがんでいる」「ずれている」といった感覚になりやすくなるのです。
実際に関節はズレたりしませんし、骨盤がゆがむなんてこともありませんが、感覚的にゆがみが感じられるのです。
姿勢と所作
日常生活の悪習が体にゆがみの感覚をもたらすことがわかったと思います。
ここで大事なのは古来の日本には作法や所作というものがあったということ。
武術などには型があったこと。
現代の日本人の姿勢には何もないこと。
躾の中に姿勢はないし、心の教育にも姿勢はありません。
昔の日本人は姿勢の中に「心」を見出し、作法や所作を身につけることで配慮や分別を理解してきました。
「整う」という文化的な身体観が心身に作用してきたことが、現代には受け継がれなくなった結果、日本人の姿勢のあり方を曖昧にし、悪習を生みやすい環境になってしまったのかもしれません。
姿勢には情動に対する影響もあると言われています。
姿勢の癖は心にも表れていると言っても過言ではありません。
正しい姿勢という言い方が相応しいかはわかりませんが、体の運びを上手にできれば姿勢だけでなく、痛みや見た目も変わるかもしれません。