首を回すと痛い!姿勢との関連性!?
目次
首が動かないのは首のせい?
首が回らないと困っている方がなかなか改善しない場合、首以外にも注目した方がいいポイントがあります。
首の回旋可動域は上位頚椎(C1-2)が50%、C3以下が50%を担っていると言われています。
それは頚部の構造的に上位頚椎は正中環軸関節という関節が軸回旋構造をしているためです。
これは頭方から見た上位頚椎です。
歯突起と言われる第2頚椎の椎体が環椎(第1頚椎)の椎体の役割を果たしつつも環椎横靭帯と翼状靭帯によって固定され、回旋軸を作っています。
この動きを後頭下筋群がコントロールしています。
後頭下筋群は左右4つ、合計8つの筋で構成されています。
頚部の伸展、回旋、側屈などに作用します。
50%の割合の可動域をこの小さな筋肉で働いていると考えると不自然な気もします。
見て分かる通り、後頭下筋群は頭部に付着部を持つ筋肉です。そのため胸鎖乳突筋や頭板状筋といった頭部の回旋筋とも同時に作用します。
頭頚部の筋は表層では大きな筋も多く、回旋に対しては単純回旋ではなく側屈を伴う回旋を行います。
これは頚部の関節構造や椎間板によって起こるカップリングモーションにも関与します。
ここで考えておきたいのは頚部の回旋には頭部~胸椎部にかけてが連動して作用しているということです。
また、単純な回旋ではなく側屈を伴う回旋であることを理解しておく必要もあります。
頚部回旋に伴う3つのポイント
頚部回旋には3つのポイントを着目する必要があります。
①カップリングモーション
②肩峰の左右高低差
③上半身質量重心
①のカップリングモーションは前述したように回旋には側屈と複合した動きが存在するということです。
②の肩峰の左右高低差に関しては
肩峰が低い側に頚部回旋可動域は大きくなるという性質があります。
肩の位置は左右で均等ではなく、ほとんどの場合左右差が生じます。
そのため、頚部の可動性が小さい側が制限側というわけではなく、むしろ肩峰の低い側に向きにくいということがあれば制限因子が存在します。
例えば、胸椎の可動制限や肩甲骨の内外転の抵抗です。
③の上半身質量中心というのは重心の変化です。
上半身質量中心と座圧中心による運動連鎖が回旋可動域に関連します。
このように頚部回旋運動には姿勢や重心などの変化によっても影響があるということです。
首の動きにくさは首だけじゃない!!
首の動きは体幹部の運動も関与します。
そのために体側部のストレッチや肩甲骨の安定や運動が必要です。
重心の不安定な不良姿勢は頚部に負荷をかけますし、眼精疲労や自律神経の影響、過度な刺激などの環境因子もそのひとつです。
頚部の回旋可動域を広げるのであれば姿勢指導、運動指導をセットで行うことが求められます。
急な首の痛みの場合は胸部のエクササイズが効果的ですし、呼吸を深く行うこともポイントです。